私は恋を知らない、はずだった
とか考えてる今も、つくりものの私が好きな女子や男子に囲まれている。
高校生になった今、いろんなことを知り、わかるようになってきて、いじめられないためのすべきこと、もちゃんとしてきた。
そのちゃんとしてきた私が、今の作り物の私である。
突然だけど、アヤは結構意地悪である。
「メグ今、恋してるんだよねー?愛しのあの人に」
はい?
ちょっと野蛮な言葉使うけど
そのニヤニヤしてる顔に1発ぶち込みたい。
グーで。
「…」
やっぱりねー、この人はそういう面倒な事になるようなこと言うって思った。
さっき話聞いてなかったもんな…
そんなことでこんな面倒な…
恐る恐る周りの反応を見る。
「えっ、メグちゃん好きな人いるの!?」
「愛しのあの人って?!」
「やっぱり隣のクラスの佐藤くん?」
「イケメンで頭もいいからね…」
「告られてたもんね!そりゃそうか!」
はーい、うるさいうるさーい
盛大な勘違いをしている。好きな人もいないし、しかも見られてたのね、めんどくさい…。
「白咲さん、佐藤好きなの?絶対俺の方がいいよ!大切にするし!!」
白咲(しろさき)とは、私のこと。
白咲芽美、高校1年生。
同級生はもちろん、先輩方にも告白されたりする。
皆、好きなのは私の外見だからね。全然嬉しくない。
すれ違うだけで色んな人に振り向かれて、こわいとしか言いようがない。
そいでもちろん丁重にお断りする。
好かれたりするのは嬉しいけど、『俺の方がいいよ』とかいうのは告白してくれた佐藤くんに失礼だから、失礼極まりないから。
やめときましょ…