私は恋を知らない、はずだった
というわけでこの高校に入った。
張り切って登校し、ちょっと遅めに来たのがよかったのか、前に歩く例の彼女のことを見つけた。
けれど、姉と歩いている、、
最初のあいさつが大事だからな。話しかけるのはなにかきっかけがあったときに…。
と思っていたら彼女が突然倒れそうになった。
「っと、、」
近くで見たくてちょっとずつ近づいててよかった。
「遼!!なんでいるの?!
いやそれより、メグ!大丈夫?!」
この人はメグさんって言うんだ、、
なんてかわいい名前!!
「どうしよう、、そうだ、保健室!」
「あんた遅い!!こっち!」
姉はもうすでに彼女の荷物を持ち、走っていた。
姉さんははやい…
それについていき、保健室までつれていく。
いわゆるお姫様だっこというやつをしている。
こんな姿でもくっそかわいい。しかも近い。いい匂い。しにそう。
保健室まで着いてベッドに寝かせると、俺はすぐに追い出された。姉に。
今まで怖くて逆らえず、忠実に言うことを聞いていた俺だけど、今回ばかりは、、!!
「姉さ…!「いや、わるいけど新入生いろいろ準備あるから教室戻りな?
あとあんたに触られたせいでメグの体のすみずみまで除菌しなきゃだから絶対入らないで。」
なんといういわれよう、、
けれどここで引き下がる俺ではない!
目が覚めたときに俺がいないと話せない!!
「いやーでもね、黒石さんあ、お姉ちゃんの方ね
言うことは正しいからさ。
あとはわたし任せて新入生君は入学式の準備しな?」
「はい、、」
先生にまで言われたら仕方ない。
切ない、、
そして今。
入学式が始まる直前ぐらいに俺の姉が堂々と扉から入ってきた。
かっこいいだとか美人だとか言われていて、姉の立ち位置を瞬時に理解した。
ここで姉の悪口は言わないようにしなければ。
さっき姉の周り、2年生のいる辺りを全体的に見たけど、
誰も座っていない椅子が1つあった。
あれがメグさんの座る椅子だろう。
椅子の下でスタンバイして座った時にさりげなく、、いや、触れなくていいから近くにいたい…。
「黒石?お前、黒石遼さん?」
後ろから男に話しかけられた。どうやら同じクラス。
俺を見てるやつも結構いるけど、こいつを見てるやつも結構いるな。俺から見てもけっこう整った顔をしてる。
「そうだよ、俺に何か用?」
「メグね…じゃなくて、俺の姉とお前の姉、友達だよな?知らない?」
「よく知らないけど…」
「お前の家にもよく行ってない?身内から見ても可愛いやつ」
もしや?もしや?メグさんのこと!?そしてこいつは彼女の弟!?ぜひ仲良くなっとかなければ。
「君はメグさん?の弟?よかったら友達にならない?」
「仲良くするのは賛成。けど、メグ姉のこと好きなの?たぶんメグ姉はむずいよ?ほかあたったほうがいいって。」