恋慕
~夏の放課後~
その日、
夏休み前の職員会議があり、
先生方はみんな
会議室に集まっていた。
電話番で
私だけが職員室に残っていた。
まだ日が高いとはいえ、
放課後の職員室には
誰も来ない、
電話もかかってこない。
夏休み中の課題を作るべく
印刷されたプリントを
横並びの3台の机の上に並べて
それを一枚ずつ集めては
ホッチキスで留めるという
地味な作業をしていた。
1年生およそ250人分の
夏休みの課題を
作成しながら
私はひどく滅入っていた。
新人だからと
いいように扱われている、
と思うと余計に滅入った。
長い梅雨が
まだ明けない中、
その日は
たまたまどんよりとしながら
雨は降っていなかった。
開け放した窓から
部活動をする
生徒達の声が聞こえる。
自分がああしていたのは
ついこの間のことのようなのに
随分隔たりを感じる。
それにもまた滅入ってしまう。
何よりも
職員会議に
混ぜてもらえない疎外感が
何よりも辛かった。
ふぅ・・・。
重い溜息をついたときだった。
「失礼します。」
静かな声が
職員室の入り口でした。
振り向けば背筋を伸ばした
男子生徒の影。
江良くん・・・。
夏休み前の職員会議があり、
先生方はみんな
会議室に集まっていた。
電話番で
私だけが職員室に残っていた。
まだ日が高いとはいえ、
放課後の職員室には
誰も来ない、
電話もかかってこない。
夏休み中の課題を作るべく
印刷されたプリントを
横並びの3台の机の上に並べて
それを一枚ずつ集めては
ホッチキスで留めるという
地味な作業をしていた。
1年生およそ250人分の
夏休みの課題を
作成しながら
私はひどく滅入っていた。
新人だからと
いいように扱われている、
と思うと余計に滅入った。
長い梅雨が
まだ明けない中、
その日は
たまたまどんよりとしながら
雨は降っていなかった。
開け放した窓から
部活動をする
生徒達の声が聞こえる。
自分がああしていたのは
ついこの間のことのようなのに
随分隔たりを感じる。
それにもまた滅入ってしまう。
何よりも
職員会議に
混ぜてもらえない疎外感が
何よりも辛かった。
ふぅ・・・。
重い溜息をついたときだった。
「失礼します。」
静かな声が
職員室の入り口でした。
振り向けば背筋を伸ばした
男子生徒の影。
江良くん・・・。