合言葉は、“ヘヘヘ ムフフ”






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次の日の日曜日。


よっぽどの予定が無い限り、
日曜日の行動はいつも決まっている。


いつもの時間に家を出て、
いつもの時間の電車に乗る。


区間で言うと3駅分。


隣町まで走る電車の窓から、
もう何百、何千回と見た風景を眺める。








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「カンタロウ行くよ。
切符落とさないようにね。」


「うん!ねぇお母さん、
今日ナオちゃんとお祭り行ってきてもいい?」


「いいけど迷子にならないように気をつけなさいよ。
それからお小遣いは大事に使うこと。」


「はーい!
ナオちゃんと綿アメ食べるんだ!」


「カンタロウは本当に綿アメが好きねぇ。」


「うん!大好き!」

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小さい頃によく行った神社が窓から見えると、

母親とその当時電車の中で交わした会話を思い出す。


神社が見えてすぐ、

これ以上の余韻に浸るまでもなく、
目的地の駅に着いた。




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