合言葉は、“ヘヘヘ ムフフ”



「そんな子が、どうしてそういうお店で働いてたんですかね・・・。」


「その時のワシも、同じ事を思ってな。

ある日、ユミコに聞いてみたんじゃ。

そしたら初めてワシの前で哀しそうな顔をしてのう。

聞けば、
“親の借金の肩代わりをさせられていて、
借金返済の為にこのお店で働いている”

と教えてくれたんじゃ。

だが、ユミコは、
“お触り禁止、服も脱がない”
という事を絶対に曲げない子だったから、

ああいう店ではなかなか客がつかなかったようじゃ。

その話を聞いてからワシは益々ユミコに金を使うようになったわ。

値段が高い酒をオーダーしたりしてな。

そのうち給料だけでは生活が回らなくなって、

働き出してから、
“いつの日か訪れるであろう結婚資金”

としてコツコツ貯めていた貯金も切り崩していった。」




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