合言葉は、“ヘヘヘ ムフフ”
顔を抑えてうずくまる生徒達を押しのけて、
痛む足を引きずりながら俺も2人に近づく。
「カンタ!生きておるな?
ひどい顔じゃ。」
「・・・昔から・・
打たれ強いほうなんで・・・。
ジョージさん、この雪は・・?」
「小麦粉じゃ。
校舎の中に入って使えそうな物を探していたら、“家庭科室”と書いてある教室にこれがあった。」
そっか・・・。
雪じゃなくて小麦粉だったんだ。
「うっ・・。」
殴られ続けた全身の痛みで、
立っていることもしんどくなってきた。
「頑張れカンタ!“職員室”にあったこの変な棒でワシがこの小僧を抑えつける。」
「おのれ!離せ!離せ!」
「ウヒャヒャヒャ。
顔が小麦粉まみれで、罰ゲームを受けたお笑い師みたいになっておるぞ小僧。」
「ジョージさん、
その棒は“刺股”って言って、
変質者とかが学校に侵入してきた時に先生達が使う防犯用品なんですよ。
ナイスチョイスです。」
「そうじゃったか。
ワシらの頃にはこんな物なかったのにな。」
「そういう時代なんですよ今は。」