みつけてよ
「その嫌な人が隣なんだけど」

ほら、幻聴まで聞こえてきたよ。

そろそろ私やばいのかな。

『私、夢見てるのかな』

それならはやく覚めてほしい。

「やっぱ無視するんだね」

いやいや

『私の夢の中に入ってこないでくれる?』

「あっきー?大丈夫?ここ現実ね」

恐る恐るやわらかいほっぺとかいうやつをつねって引っ張る。

じわりと目から下へと雫が伝っていく。

そして思い知らされる。

「がんばれあっきー」

と。
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