桜時~あの時から私は~
教室までの廊下を歩く
昇降口から階段を上り2階にあがる。
目の前にはまっすぐと体育館へ続く渡り廊下が見えた。
そこで目を合わせた
人がいた
「確か1年のときは4組だったかな、、、?」
僅かな記憶を辿り、思い出す。
なんとなく思い出される記憶の中で
私は不思議な感覚を覚えていた。
あれは
「ねえ聞いてる???」
「あっ、えっ?ん?」
「ずっと夏鈴に話しかけてたのになに考えてたの?」
「いやあ寒いなあっておもって」
「渡り廊下を見ながら?ずっと?」
「ま、まあね」
「怪しい」
「いやなにもないから!!ほら教室いくよ!」
危なかった
沙綺は少しトロい所があるが
少し勘が鋭い時がある。
私らしくない感情をしまい込んで
教室の扉を開けた