2月15日の告白【短編】
え?


事情を飲み込めないままボーっとしている私の目に、珍しく気まずそうに顔をしかめたナギ君が映った。


ん?


ん?ん?ん?


まって、今ナギ君教卓の下から出てきた?


ってことは。


「アスカ、どういうこと⁉︎」


わけがわからなくて、とりあえずアスカに助けを求める。


けれど、アスカは


「バカって言ったのは、後輩くんにむけて。

チエも、思い込みが激しいっていうかなんていうか、猪突猛進みたいなところあると思うけど。

ま、私にできることはし尽くしたつもりだから、あとは二人で」


と教室から出て行ってしまった。


え?嘘でしょ?なにこれどういうこと?


「チエ先輩」


「まってナギ君。
いつからいた?どこから聞いてた?

ああ、やっぱりそんなことどうでもいいから全部忘れて。
あと昨日は邪魔しちゃってごめんね。
お幸せに。

じゃ、私はこれで」


早口でまくしたてて、教室から出ようと早足で歩く。


けれど、「チエ先輩」ともう一度言ったナギ君に、腕を掴まれてしまった。
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