2月15日の告白【短編】
「4月になったら、受験生だからさ。
部活も引退しなきゃいけなくなるし、毎日ここに来れなくなるじゃん。
だから、それまでにナギ君の写真を見てみたいんだよね」


そう、なんだかしんみりしながら言うと、ナギ君は「なにジメジメしてるんですか、キモいです」とバッサリ言い放った。


「べつに、屋上は誰の場所でもないんだから、先輩が来たい時にこればいいと思いますけど」


「大事なのは、そこじゃない」


「写真は、絶対見せません」


「ならなんでこの部活に入った?
被写体になってくれたらよかったのに」


「それは、内緒です」


このつかめない後輩、いったいどうすればいいのか。


一年近く一緒に部活動をしているけど、未だにわからない。


なにを考えているのか。


その、あまりにも澄んだ瞳がなにを写しているのかわからない。


なぜか泣きそうになって、そっと目を逸らした。
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