仮初めマリッジ~イジワル社長が逃してくれません~
百二十平米ほどの広さの室内は、重厚感のある贅沢な調度品で整えられている。
カーテンやベッドスローには、荘厳な雰囲気のゴールドとグリーンの組み合わせが用いられていた。

人生で初めて訪れたスイートルームに緊張していたものの、ホテル・エテルニタのイメージカラーである落ち着いた大人の色使いは、張っていた肩を徐々に解きほぐしてくれる。


『エテルニタ』のお仕事を受けるにあたって、ホテル・エテルニタのことは事前にネットで調べていた。

確か、創業者の苗字『常盤』には永久不変という意味があり、『お客様へ永久に変わらぬ幸せや豊かさが訪れるホテルになるように』と願いを込めて、イタリア語で永遠を意味する『エテルニタ』をホテル名にしたそうだ。

そのためホテル・エテルニタでは、永久不変・繁栄・豊かさを表す常盤色と金色がイメージカラーとして用いられ、その流れは永遠を誓うブライダルジュエリーを扱うジュエラーの『エテルニタ』にも引き継がれている。

『“永遠”を誓うエテルニタカラー』というフレーズで世界中を魅了している、エメラルドとダイヤモンドの組み合わせで作られたブライダルジュエリー。
それに必ず純金が用いられるのは、とても有名な話だった。
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