仮初めマリッジ~イジワル社長が逃してくれません~
「琴石の部屋は……あら? 良いわね、あなただけ四十階のスイートルームですって。流石、メインモデルは待遇が違うわね〜」
チェックインを済ませた社長が「はいどうぞ」とカードキーをくれる。
「へ? ありがとうございます」
四十階、プレジデンシャル・スイートルームと書かれたカードキーを受け取りながら、まじまじと見つめる。
「社長、俺たちはどこなんだ。琴石とは離れてるのか?」
「お互い十五階ね。他のホテルじゃなくて、こんな高級ホテルに部屋を取ってもらえるだけ有難いわよ。何かあったらエレベーターで行けるんだから」
「……そうだな」
そんな会話をしながらトランクをゴロゴロと押し、エレベーターに乗る。
十五階で降りた二人を見送り、私は一人、耳がキーンとしてしまうようなエレベーターに乗りながら四十階で降りた。
エテルニタ・ワイキキビーチ・リゾートにある最高級タワー。その最上階であるこのフロアには、扉が一つしかなかった。
カードキーを翳して、誰もいないスイートルームへ足を踏み入れると、まるで空中にいるかのようなリビングルームが広がっていた。
チェックインを済ませた社長が「はいどうぞ」とカードキーをくれる。
「へ? ありがとうございます」
四十階、プレジデンシャル・スイートルームと書かれたカードキーを受け取りながら、まじまじと見つめる。
「社長、俺たちはどこなんだ。琴石とは離れてるのか?」
「お互い十五階ね。他のホテルじゃなくて、こんな高級ホテルに部屋を取ってもらえるだけ有難いわよ。何かあったらエレベーターで行けるんだから」
「……そうだな」
そんな会話をしながらトランクをゴロゴロと押し、エレベーターに乗る。
十五階で降りた二人を見送り、私は一人、耳がキーンとしてしまうようなエレベーターに乗りながら四十階で降りた。
エテルニタ・ワイキキビーチ・リゾートにある最高級タワー。その最上階であるこのフロアには、扉が一つしかなかった。
カードキーを翳して、誰もいないスイートルームへ足を踏み入れると、まるで空中にいるかのようなリビングルームが広がっていた。