仮初めマリッジ~イジワル社長が逃してくれません~
「もちろん、これは独占契約の一部だから。『ペルラ』から支払われる広告のギャランティの他に、僕個人から毎月の給料を君に支払うよ」
そう言って、呆れたような表情で私の顎に指先をかけた。
「ねえ、琴石さん。わかっていると思うけど、今の『エテルニタ』は日本国内だけでなく、世界のジュエラーとして名を轟かせるブランドに昇華しようとしているところなんだ。超一流ホテルの御曹司がプロデュースしている、超一流のジュエラーとしてね」
常盤社長は熱く蕩けるような視線で私を見つめる。
「その看板を背負うのは簡単なことじゃない。君が『欲しい』と言った仕事は、“そういう”仕事なんだよ」
そして多くの女性を虜にしてきたような蠱惑的な表情を浮かべ、逞しい腕で私の身体を強引に彼の方へと引き寄せた。
「婚約者として過ごす契約期間は、撮影期間中の二ヶ月だ。君の表現力の向上次第では短くしてもいい。
……でも。僕が契約終了と言うまでは君を離さない。――君は、何でもするんだったよね?」
獰猛な百獣の王のような双眸が、鋭く細められる。
彼の高圧的な姿勢に、まったく逆らえない。
「……っ! は、い。もちろん、です」
「従順な子は嫌いじゃないよ」
私の返事を聞いて、まるで獲物を捕食するように熱を帯びた彼の瞳に、羞恥心で体が熱くなるのを感じた。
「それじゃあ約束通り、誓約書に君がサインと捺印をしたら君は正真正銘『エテルニタ』の花嫁だ」
「わかり、ました。印鑑を、取ってきます」
常盤社長の腕の中から解放された私は、ふらりとその部屋を出る。
そう言って、呆れたような表情で私の顎に指先をかけた。
「ねえ、琴石さん。わかっていると思うけど、今の『エテルニタ』は日本国内だけでなく、世界のジュエラーとして名を轟かせるブランドに昇華しようとしているところなんだ。超一流ホテルの御曹司がプロデュースしている、超一流のジュエラーとしてね」
常盤社長は熱く蕩けるような視線で私を見つめる。
「その看板を背負うのは簡単なことじゃない。君が『欲しい』と言った仕事は、“そういう”仕事なんだよ」
そして多くの女性を虜にしてきたような蠱惑的な表情を浮かべ、逞しい腕で私の身体を強引に彼の方へと引き寄せた。
「婚約者として過ごす契約期間は、撮影期間中の二ヶ月だ。君の表現力の向上次第では短くしてもいい。
……でも。僕が契約終了と言うまでは君を離さない。――君は、何でもするんだったよね?」
獰猛な百獣の王のような双眸が、鋭く細められる。
彼の高圧的な姿勢に、まったく逆らえない。
「……っ! は、い。もちろん、です」
「従順な子は嫌いじゃないよ」
私の返事を聞いて、まるで獲物を捕食するように熱を帯びた彼の瞳に、羞恥心で体が熱くなるのを感じた。
「それじゃあ約束通り、誓約書に君がサインと捺印をしたら君は正真正銘『エテルニタ』の花嫁だ」
「わかり、ました。印鑑を、取ってきます」
常盤社長の腕の中から解放された私は、ふらりとその部屋を出る。