仮初めマリッジ~イジワル社長が逃してくれません~
どうしよう、どうしよう、どうしよう……!
常盤社長はいつも穏やかで優しくて、優雅な立ち居振る舞いの王子様だと思っていたのに。
まさかこんな、高圧的で意地悪な王様みたいな人だったなんて!
婚約者とか、どどど同居とか! もう意味わからない! 本当にどうしたらいいの……!?
そんな考えばかりが脳内を占拠していて、ドキドキするし、ふらふらするし、目が回る。
自分にあてがわれたフィッティングルームへ戻ると、ノックもせずに扉を開いた。
「あ! 琴石さん!」
「わああ! はい!」
人がいることに気がつかなかった私はビクッと大きく肩を揺らした。
フィッティングルームの中で、私を待っていてくれたらしいヘアメイクの担当者さんが不思議そうに首を傾げる。
「休憩終了まであと五分です」
「わ、わかりました! すぐに戻ります」
急いで笑顔を貼り付けて、慌てふためきながら自らのバッグを漁り、お目当てのポーチを取り出した。
モデルになってからいつも持ち歩くようにしていた印鑑が、事務所以外の場所で使用されることになるとは。
震える足を叱咤しながら、急いで常盤社長のいる部屋へ戻る。
腕を組み長い足を投げ出しながら壁に寄りかかって立っていた彼は、妖艶な笑みを深めた。
常盤社長はいつも穏やかで優しくて、優雅な立ち居振る舞いの王子様だと思っていたのに。
まさかこんな、高圧的で意地悪な王様みたいな人だったなんて!
婚約者とか、どどど同居とか! もう意味わからない! 本当にどうしたらいいの……!?
そんな考えばかりが脳内を占拠していて、ドキドキするし、ふらふらするし、目が回る。
自分にあてがわれたフィッティングルームへ戻ると、ノックもせずに扉を開いた。
「あ! 琴石さん!」
「わああ! はい!」
人がいることに気がつかなかった私はビクッと大きく肩を揺らした。
フィッティングルームの中で、私を待っていてくれたらしいヘアメイクの担当者さんが不思議そうに首を傾げる。
「休憩終了まであと五分です」
「わ、わかりました! すぐに戻ります」
急いで笑顔を貼り付けて、慌てふためきながら自らのバッグを漁り、お目当てのポーチを取り出した。
モデルになってからいつも持ち歩くようにしていた印鑑が、事務所以外の場所で使用されることになるとは。
震える足を叱咤しながら、急いで常盤社長のいる部屋へ戻る。
腕を組み長い足を投げ出しながら壁に寄りかかって立っていた彼は、妖艶な笑みを深めた。