仮初めマリッジ~イジワル社長が逃してくれません~
翌朝。
意識の届かない指先に、血統書付きの洋猫のような毛並みが絡みついた。
微睡みの中で薄く瞼を開く。
サラリとした手触りを楽しんでいると、緩やかに覚醒してきた意識の中で、慧さんの髪に手を伸ばしていたことに漸く気がついた。
咄嗟に手を引っ込める。
びっくりして完全に目が覚めてしまった。
となりを窺えば、慧さんはまだ眠ってる。
眠る王子様の魅惑的な美しさに目を奪われ、そっと息を飲んだ。
亜麻色の髪、それと同じ色彩の長い睫毛。端麗な甘いマスクに、透き通るような白い肌。
生まれつき色素が薄いのか、それとも外国の血が混ざっているのだろうか。どこまでも精巧な人形のように美しい造形。
胸の辺りまでしかシーツをかぶっていない姿はまるで美術品だ。
タイトルを付けるならば『王子様の甘美なる微睡み』だろうか。
思っていたよりも筋肉がついている二の腕や胸板に視線が釘付けになる。
んん? でも、なんで胸板?
「おはよう、結衣。僕の鑑賞はもう終わり?」
ぱっと開かれた瞼に、飛び起きる。
意識の届かない指先に、血統書付きの洋猫のような毛並みが絡みついた。
微睡みの中で薄く瞼を開く。
サラリとした手触りを楽しんでいると、緩やかに覚醒してきた意識の中で、慧さんの髪に手を伸ばしていたことに漸く気がついた。
咄嗟に手を引っ込める。
びっくりして完全に目が覚めてしまった。
となりを窺えば、慧さんはまだ眠ってる。
眠る王子様の魅惑的な美しさに目を奪われ、そっと息を飲んだ。
亜麻色の髪、それと同じ色彩の長い睫毛。端麗な甘いマスクに、透き通るような白い肌。
生まれつき色素が薄いのか、それとも外国の血が混ざっているのだろうか。どこまでも精巧な人形のように美しい造形。
胸の辺りまでしかシーツをかぶっていない姿はまるで美術品だ。
タイトルを付けるならば『王子様の甘美なる微睡み』だろうか。
思っていたよりも筋肉がついている二の腕や胸板に視線が釘付けになる。
んん? でも、なんで胸板?
「おはよう、結衣。僕の鑑賞はもう終わり?」
ぱっと開かれた瞼に、飛び起きる。