仮初めマリッジ~イジワル社長が逃してくれません~
窓から燦々と差し込む太陽の光に、何かがキラリと一際眩しく煌めく。
薬指には、いつの間にか指輪が輝いていた。
「へ? 指輪……?」
どうやら眠っている間に嵌められていたらしい。
一粒の大きなダイヤモンドの周囲にメレダイヤが散りばめられたプラチナアームの指輪は、今回の広告撮影で使用しているエンゲージリングだった。
今後も、撮影で使用することになっている。
備品の持ち帰りは禁止なので、当然この間もちゃんと返却した。
なのに、なんでここに?
こちらに身体を向けた彼が、私の髪へ指先を絡める。
「僕からのプレゼント。君は婚約しているんだから、エンゲージリングをしていないなんて変だしね。関係者へは“常盤社長から表現力向上のために貸し出されました”とでも言えばいい」
悪戯っぽく首を傾げた彼の、亜麻色の髪がサラリと流れる。
「まあ、貸し出しなんて嘘だけどね」
「それは、どういう……?」
薬指には、いつの間にか指輪が輝いていた。
「へ? 指輪……?」
どうやら眠っている間に嵌められていたらしい。
一粒の大きなダイヤモンドの周囲にメレダイヤが散りばめられたプラチナアームの指輪は、今回の広告撮影で使用しているエンゲージリングだった。
今後も、撮影で使用することになっている。
備品の持ち帰りは禁止なので、当然この間もちゃんと返却した。
なのに、なんでここに?
こちらに身体を向けた彼が、私の髪へ指先を絡める。
「僕からのプレゼント。君は婚約しているんだから、エンゲージリングをしていないなんて変だしね。関係者へは“常盤社長から表現力向上のために貸し出されました”とでも言えばいい」
悪戯っぽく首を傾げた彼の、亜麻色の髪がサラリと流れる。
「まあ、貸し出しなんて嘘だけどね」
「それは、どういう……?」