愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
私……今完全に素だった。
素で語りまくってたよね。
本性丸出しだったよねぇ……。

向かいの席の高晴さんを恐る恐る見やる。彼はかなり真面目な顔になっていた。リラックスした先ほどの表情とは違う。
あ、ああ……間違いない。ドン引かれている……。

「雫さん、俺、今わざとこの話題を出しました」

高晴さんの口から思わぬ言葉が出た。

「雫さんは、アニメとか……結構好きなほうなのかなと思って」

心臓が途端にバクバクバクと鳴り響きだした。恐れていたオタバレの瞬間が今ここに!
しかも疑われていたからこの話を振られ、まんまと食いついてしまったんだ!

「ロマンスカーの中で、雫さんずっとアニメを見ていたから」
「お、起きてたの……?」
「途中から。夢中で見ていたし、ニコニコ楽しそうだったから、声をかけられなくて」

あーっ!!見られてたー!!油断したー!!
しかもニヤついてるところ見られたー!!
私の推し、今日も可愛いって思ってるところ見られたー!!!

「だから、今話題にした有名なアニメは絶対見てるんじゃないかと思って」
「うん、全部見てる」

観念すべき時がきたのかもしれない。
カマまでかけられたんだ。下手に隠し立てせずに正直に言おう。その方が傷は浅い。
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