愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
「あのね、一昨日、外部のデザイナーさんとビジネスランチをしたの。うちの営業担当ふたりと店舗担当を代表して私が」
「デザイナーって下着のデザイナー?」
「うん、自社デザイナーもいるんだけど、その鳥居さんって委託してるフリーのデザイナーさん、評判も売り上げもよくて、うちの会社的には接待してでも逃したくない相手なのよ」
俺が頷くと、雫が眉根を寄せて困惑げに言う。
「その人から、今日になって店舗に連絡がきてね。今度はふたりで夕食でもどうかって」
動揺から俺は表情筋が動かなくなった。
この瞬間まで俺はそのデザイナーが女性だと思っていた。下着のデザインだというから先入観があったのだ。
しかし、この話の流れとして相手は男だ。
そして、立場を利用し、雫をひとりの女性として食事に誘っている。
「すぐに営業に相談したよ。担当は私の先輩だし、報告もなしに勝手なことしないほうがいいから。先輩は『誘いは断っていい』って言ってくれた。でも、鳥居さんの機嫌を損ねる方が面倒くさいことになっちゃうんじゃないかっていうのもわかるんだよね。それにたかだか夕食の誘いを断るなんて、自意識過剰かなとも思うし」
そこで雫は言葉を切り、俺を見上げた。
「あのね、高晴さん。私、行ってきた方がいいかなぁ」
「デザイナーって下着のデザイナー?」
「うん、自社デザイナーもいるんだけど、その鳥居さんって委託してるフリーのデザイナーさん、評判も売り上げもよくて、うちの会社的には接待してでも逃したくない相手なのよ」
俺が頷くと、雫が眉根を寄せて困惑げに言う。
「その人から、今日になって店舗に連絡がきてね。今度はふたりで夕食でもどうかって」
動揺から俺は表情筋が動かなくなった。
この瞬間まで俺はそのデザイナーが女性だと思っていた。下着のデザインだというから先入観があったのだ。
しかし、この話の流れとして相手は男だ。
そして、立場を利用し、雫をひとりの女性として食事に誘っている。
「すぐに営業に相談したよ。担当は私の先輩だし、報告もなしに勝手なことしないほうがいいから。先輩は『誘いは断っていい』って言ってくれた。でも、鳥居さんの機嫌を損ねる方が面倒くさいことになっちゃうんじゃないかっていうのもわかるんだよね。それにたかだか夕食の誘いを断るなんて、自意識過剰かなとも思うし」
そこで雫は言葉を切り、俺を見上げた。
「あのね、高晴さん。私、行ってきた方がいいかなぁ」