愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
俺と雫は弾かれたように手を離し、声の方を向いた。そこにはゴージャスな縦巻カールをサイドにひとつ結びにした女性がいる。ベージュのパンツスーツで、いかにも仕事帰りといった風だ。
「徳島先輩!」
雫が彼女を呼んだ。この人は雫の会社の先輩なのか。
「市川……じゃなかった、榊、鳥居さんとの食事の件は本当に気にしなくていいからね。こっちでうまく言っておくから」
どうやら、この先輩が営業担当のようだ。
その人妻に手を出そうとしているデザイナーとの間に入っているらしい。
「徳島先輩、わざわざ言いにきてくれたんですか?」
「断ったってメールでは聞いたけど、あなた結構そういうの気にしそうだったから。お店が終わるのを見計らってきたんだけど……なんだかいいところをお邪魔してしまったみたいで」
徳島というその女性が苦笑いしつつ、そろそろと視線を俺に移動させる。そして、ぺこりと頭を下げた。
「ご主人、この度はご心配をおかけしまして申し訳ありません」
「いえいえ、そんな」
「奥様である雫さんは会社で守りますので、どうか雫さんのお力を今後もお借りしたくお願いします」
「仕事はもちろん続けてくれていいですし、本当に気にしていません!大丈夫です!」
俺の言い訳は、これまでの雫とのやりとりと耳にしていたら、強がりにしか響かないんだろうな。
首や耳まで熱くなってきた。聞かれていたとはつゆ知らず、俺、熱弁ふるっちゃったよ。恥ずかしすぎる……。
「徳島先輩!」
雫が彼女を呼んだ。この人は雫の会社の先輩なのか。
「市川……じゃなかった、榊、鳥居さんとの食事の件は本当に気にしなくていいからね。こっちでうまく言っておくから」
どうやら、この先輩が営業担当のようだ。
その人妻に手を出そうとしているデザイナーとの間に入っているらしい。
「徳島先輩、わざわざ言いにきてくれたんですか?」
「断ったってメールでは聞いたけど、あなた結構そういうの気にしそうだったから。お店が終わるのを見計らってきたんだけど……なんだかいいところをお邪魔してしまったみたいで」
徳島というその女性が苦笑いしつつ、そろそろと視線を俺に移動させる。そして、ぺこりと頭を下げた。
「ご主人、この度はご心配をおかけしまして申し訳ありません」
「いえいえ、そんな」
「奥様である雫さんは会社で守りますので、どうか雫さんのお力を今後もお借りしたくお願いします」
「仕事はもちろん続けてくれていいですし、本当に気にしていません!大丈夫です!」
俺の言い訳は、これまでの雫とのやりとりと耳にしていたら、強がりにしか響かないんだろうな。
首や耳まで熱くなってきた。聞かれていたとはつゆ知らず、俺、熱弁ふるっちゃったよ。恥ずかしすぎる……。