愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
雫と初めてそういうことになるなら、お互いの同意をきちんと得た上でだ。
彼女を後悔させたくないから、完全に彼女の気持ちが俺に向いてからでないと。

でも!

本音で言えばこのまま押し倒してしまいたい!!

「高晴さん、もう一度、しましょ」

雫の言葉に俺は目を剥いた。そんな誘いをもらえるとは思わなかった。
落ち着け、落ち着くんだ。押し倒すな!俺!
ここで押し倒したら、フローリングだからそもそも痛いぞ。

半パニックで慌てて唇を近づけると、今度は雫と鼻同士がガツンとぶつかった。

「いたあい」
「うあ!ごめん!」

俺たちは派手にのけぞった後、鼻を押さえ、顔を見合わせる。
お互い真っ赤な顔をしていた。恥ずかしさと嬉しさをないまぜにして笑ってしまう。

なんて格好がつかないんだろう。
俺と雫にスマートな恋愛ができる日なんかくるだろうか。
まあ、いいか。こなくても。こんなに幸せなんだから。

それから俺たちは、もう一度ゆっくりと唇を合わせた。


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