愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
「姉ちゃん、こんなこと今更だけど、結婚って好きな者同士がするんだよ?知ってた?」
「おうよ、知ってるぜ!」
「姉ちゃん、高晴さんのこと好きになって結婚したの?」

面と向かって言われると思わなかった。
好きになって?姉の結婚はお見合いだけど~?

「昔は顔も知らない人に嫁いだんだよ?それより良くない?」
「今は平成が終わろうとしております。姉ちゃんは自由恋愛の時代に生まれ、敢えてのお見合いで好条件の男を選んだ。それはいいと思うよ」

祐樹がダイニングの椅子にふんぞり返って、偉そうに言う。

「だけどさ、姉ちゃんみたいな頭ふわふわ女が、その結婚に収まりきるか、弟の俺はおおいに心配だからな。せめて相手を好きになれそうなら別だけど、まだそんな気配ないし」
「いや、好きになれそうだから結婚したんだってば。大丈夫だよ、私結構いい奥さんになるよ。高晴さんも私の仕事や未来設計を融通してくれるって言うし、私たちいい夫婦になれると思うなぁ~」

言葉を尽くせば尽くすほど、祐樹の表情が冷めていく。
いつもこんな感じなんだけど、弟は私のことをだいぶ心配なアホだと思っているようだ。

「そうよ、祐樹、せっかく片付いたところをほじくり返さないで」

母が二人分のラーメンどんぶりを手にやってきた。私は煎餅を慌てて口に押し込む。
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