愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
千夏ちゃんとはチーズフォンデュの後、カフェでお茶をし、アニメグッズ専門店を流し、デパートでベビー用品を眺めた。
夕食前に別れて、コーヒーを飲んで時間を潰しているうち、高晴さんから連絡がきた。

今夜は高晴さんとデートして帰るんだ。
池袋から新宿に移動して、駅前で待ち合わせる。西口改札を出たところで、高晴さんと合流した。

「雫さん、聞いてくれ」

高晴さん、なんだかテンションが高い。普段あまり波がないし表情のない彼だけど、今日はちょっと違う。ちなみに、私以外は気づかないかもしれない程度の薄い変化だ。

「同僚の日向が妊娠したんだ」

日向さんってよく聞く名前……ああ、高晴さんと飲んでた女性だ。髪が長くて遠目でも綺麗なあの人……。

「おめでた!あれ?ご結婚されてたの?」
「いや。いわゆるできちゃったというやつなんだ。まだ安定期じゃないけれど、出血があったとかで今日から入院してる」
「そうなんだ~。大変だろうけど、ひとまずおめでとうございますだね!あ、私も今日会ったお友達から妊娠報告されたんだ」

私の報告に、高晴さんが目を細める。

「それはいいことだね。お互いにいい報告が聞けて、嬉しいね。こういうときってプレゼントは産まれてからがいいと思うんだけど、どうだろう。俺、出産祝いって贈ったことがないんだ」
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