愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
出張が続けばあまり顔を見られなくなる。遅くなる日は寝ていてほしいと言われるし、夕食はほとんど家で食べていない。
仕方ないと思いつつ、高晴さんとのコミュニケ―ションが減っていることに寂しさを覚える。

朝食はなるべく一緒にしようとしているけれど、高晴さんは疲れた表情で普段から少ない言葉がもっと少ない。
私を心配させたくないのか大丈夫を繰り返し、それでもにこっと笑いかけてくれる。

私にできることってなんだろう。
彼の直接の助けはできない。だけど、サポートになることはできるのではないだろうか。
それが見つからないことが歯がゆい。

こんな時は気持ちがわかる人間に聞いてみよう。
昼食休憩中、弟の佑樹にこれまたメッセージアプリで聞いてみることにした。
今回も突然電話がきた。
大丈夫?営業なのに暇してない?暇な営業マンの意見聞いて参考になるかしら。

「そういう時はそっとしておいてあげなさい」

私のありのままの相談に、『おまえはお母さんか』みたいなお言葉が返ってきた。

「愚痴、聞くとか?そんなのもいらないの?」
「義兄さん、愚痴言うタイプっぽくないし、本当に言いたい時は向こうから言ってくるでしょ。こっちからごちゃごちゃ言わないもんですよ」

ははぁ、なるほど。
話を聞いてあげるってのは女性向けの考え方なのかもしれない。
男性は黙って見守るのね。勉強になります!
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