愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
「あとは美味い飯を用意してあげなさい」
「美味い飯……」
「くたびれて家に帰ってきて、手作りのメシが湯気たててたら、俺ならすごく癒される。姉ちゃんだって、くたくたで帰ってきて母さんの出来立てのメシ食ったら、元気出るだろ?」

佑樹はそこまで言って、仕事の電話だなんだと通話を切ってしまった。
はー、その食事を家で食べてくれないんだよな〜。
でも、その通りな気はする。家を安心できる場所にしてあげるため、食べてくれそうなときはごはん作りも気合い入れちゃおうかなぁ。

と、思っていたら、その日の午後スマホにメッセージが届く。

『今夜は早く帰ります』

おお!早くもチャンス到来!

私も早番で夕食を作る時間はある。金曜だし、明日明後日は高晴さんの会社は休み。休日出勤するって言っても、普通の勤務よりはのんびりできるはずだし、豪勢な夕飯を作って、今夜はふたりでゆったり過ごせばいいじゃない〜!

どうしようかな。ほかほかのごはんにポークソテーとかどう?
帰ったらすぐにお肉を塩麹に漬けて、高晴さんが帰ってきたら焼くの。じゃがいもと長ネギのお味噌汁作って、付け合わせに前作って好評だったもやしとほうれん草のナムルをつけよう。

ワクワクしてきた。やるぞ、という気持ちで、不安感が軽くなる。

午後の勤務を終えたら、お店を他のスタッフに任せて家路に着いた。
ちょっとお高めのスーパーに寄り、張り込んで国産ブランド豚の厚切りロースを買う。豚肉は疲労回復に良いっていうもんなぁ。高晴さんにお腹いっぱい食べてもらうんだ。
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