愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
タクシーに乗せ、病院に直行。お金を払い、彼を座席に残し院内へ。
車いすを借りてきて、タクシーの運転手さんにも手伝ってもらい、どうにか高晴さんを車いすに乗せた。

運転手さん、この御恩はいつか必ず。
とりあえず、タクシー会社とお名前は携帯にメモしとこ。

高晴さんは意識こそあるものの熱で四肢の言うことは利かない様子。看護師さんが呼ばれるまでとすぐに空いたベッドを貸してくれた。

30分ほど待って、医師がベッドのある部屋に入ってきてくれた。

「風邪ですか?」
「半日以上前から熱があったと言いますが、インフルエンザや溶連菌なんかは出てないですね。風邪です。でも肺炎を起こしかけてましたよ。かなり身体が弱っていたんでしょうね」

診断結果は風邪。
変な病気じゃなくてよかったけれど、風邪が肺炎寸前まで重症化してしまったなんて。絶対、ここ最近の激務のせいじゃない。

「今夜は点滴打ってから帰ってくださいね。三本入れるから二時間以上かかるけど。これで多少ラクにはなると思いますが、救急なんでたくさん薬は出せないんですよ。月曜に内科に来院してくださいね」

点滴を終え、帰宅できたのは深夜一時過ぎだった。
高晴さんはそれでも支えれば歩いてくれ、熱も若干下がったような顔はしていた。
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