愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
「雫さん!」
「あは、大丈夫。思ったより身体に力入んないや」
床に手をついて立ち上がる雫は、頰を赤らめて言う。俺は先ほどまで雫が寝ていたシーツに血の染みを見つけた。それは、俺が彼女の『初めて』を奪った確たる証拠だった。
「……先にシャワー浴びてきたらどうかな」
精一杯、冷静に提案すると、雫はニコリと笑い返し答えた。
「そうするね」
雫が出て行ったドアを眺め、俺は長い長いため息をついた。
覚えていないなどとは言えない。
どこまでもはっきり覚えている。
俺は昨夜雫を抱いた。
あれほど大事に大事に関係を築いてきた妻を、暴走した欲のままに抱いてしまった。
なんということをしてしまったんだろう。
頭の中はぐるんぐるん回っていた。
それは、半分はまだ俺の身体に残る風邪のせいで、もう半分はどうにもならないショックだった。
考えることもままならず、雫の後に続いてシャワーを浴びた。
バスルームから頭を拭きながら出てくると、ダイニングテーブルには湯気をたてるおかゆ。横の小皿に梅干しとおかかと漬物が添えてある。
「それ食べてね。お昼も同じものだけどラップかけて冷蔵庫に入れておくから、レンジで温めて食べて」
「どこかに行くの?」
見れば雫は服だけすでに普段の通勤着に着替えている。化粧と髪の毛はこれからみたいだけれど。
「うん、お店に出てくる。お休み扱いにしちゃったけど、やっぱりスタッフの子に悪いし。あ、でも夕方には帰れるようにするからね」
雫はそう言ってから、俺を見る。そして照れたように頰を緩めた。
「ちゃんと寝てなきゃダメだよ」
「あは、大丈夫。思ったより身体に力入んないや」
床に手をついて立ち上がる雫は、頰を赤らめて言う。俺は先ほどまで雫が寝ていたシーツに血の染みを見つけた。それは、俺が彼女の『初めて』を奪った確たる証拠だった。
「……先にシャワー浴びてきたらどうかな」
精一杯、冷静に提案すると、雫はニコリと笑い返し答えた。
「そうするね」
雫が出て行ったドアを眺め、俺は長い長いため息をついた。
覚えていないなどとは言えない。
どこまでもはっきり覚えている。
俺は昨夜雫を抱いた。
あれほど大事に大事に関係を築いてきた妻を、暴走した欲のままに抱いてしまった。
なんということをしてしまったんだろう。
頭の中はぐるんぐるん回っていた。
それは、半分はまだ俺の身体に残る風邪のせいで、もう半分はどうにもならないショックだった。
考えることもままならず、雫の後に続いてシャワーを浴びた。
バスルームから頭を拭きながら出てくると、ダイニングテーブルには湯気をたてるおかゆ。横の小皿に梅干しとおかかと漬物が添えてある。
「それ食べてね。お昼も同じものだけどラップかけて冷蔵庫に入れておくから、レンジで温めて食べて」
「どこかに行くの?」
見れば雫は服だけすでに普段の通勤着に着替えている。化粧と髪の毛はこれからみたいだけれど。
「うん、お店に出てくる。お休み扱いにしちゃったけど、やっぱりスタッフの子に悪いし。あ、でも夕方には帰れるようにするからね」
雫はそう言ってから、俺を見る。そして照れたように頰を緩めた。
「ちゃんと寝てなきゃダメだよ」