愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
「なんで出歩いてるの!?お財布も携帯も家に置きっぱなしだし、お昼も食べてないし!いったいいつから外をうろついてるの!?あなたは病み上がりなんだよ!?自覚あるの!?」

そのまま猛烈な勢いで怒鳴られた。雫は心配して探しに来てくれたのだ。その優しさが嬉しく、同時に申し訳なくなり、気まずさに顔をそむけてしまう。

「ごめん……心配をかけて」
「どうして、こんなところにひとりでいたの?」

川を見ていた。そして途方に暮れていた。そんなことは言えない。

無言で視線を合わせない俺の様子に、雫が黙った。瞳だけが俺を射抜いている。

随分間がありそれから雫はふっとうつむいた。

「そっか。わかった。家にもどろう」


無言のまま家に戻った。
雫が怒っている気配は察せられ、俺は所在ない気持ちで、言葉が見つからない。

居間に入ると、くるりと雫がこちらに向き直った。
しばしの沈黙が流れる。逃げ出したいような気持ちを飲み込み、俺は話すことも決まっていないのに唇を開きかけた。
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