愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
泣き笑いの顔をちょっと歪めて、雫が付け足す。

「ちなみに、高晴さんからの告白は、ゆうべたくさん聞いたよ」

それから背伸びして耳元にささやいてくる。

「もう一回、聞かせて」
「好きだ、雫」
「違う、ベッドの中で」

俺は年甲斐もなく、真っ赤になり口をぱくぱくさせてしまう。言った雫も真っ赤な顔をしていた。彼女なりに最大限の誘い文句だった様子だ。

「ちゃんと始めよう。私たちのやり方で、私たちふたりの人生を」

雫の宣言に、俺は応えるためにその場で深く彼女に口づけた。俺の背にしがみつき、目を閉じた雫を抱き上げ、キスを交わしながら寝室のドアを押し開ける。
窓の向こうは夜だった。






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