愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
「汝、榊雫、あなたは健やかなる時も、病める時も、常にこの者に従い、共に歩み、助け、固く節操を保つ事を誓いますか」

同じ質問に私も胸を張り答えた。

「はい!誓います!」
「天なる父の祝福があらんことを」

神父さんが微笑み告げ、私たちは向かい合った。

高晴さんの手が私のベールをあげる。私たちは視線を絡め、誓いのキスを交わした。
初めてキスしたのも誓いのキスだった。だけど、これが本当の約束。
指輪の交換もフラワーシャワーも半年前に済ませてしまったかは、今日は誓いの儀式だけ。それで充分。

ふたりきりの結婚式は静かに始まり、幸福のうちに終わった。




「よかったねぇ。こんなプランも用意されてて」

帰り道、家の近所の遊歩道を歩く。3月には桜が美しかった遊歩道だけど、今は緑の木々が艶々の葉を茂らせている。青く生命力を感じる街路樹の木陰を並んで進んだ。平日の午後はのどかだ。

プランというのは結婚式のこと。
私たちみたいなふたりだけのウエディングプランって、実は結構あるみたい。思いついたのは、先週のことだったけれど、幸い平日だったせいかすんなり予約できた。

「需要があるんだろうね。ふたりっていうのも悪くないよ」

高晴さんが横で穏やかに微笑んだ。

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