愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
リビングに入ると、香辛料のいい香りが鼻を刺激した。いそいそと鍋に向かう奥さんの背中に声をかける。

「お腹が減ったので、カレーは大盛にしてもらってもいいですか?」
「え~?夜に大盛ですか?太っちゃいますからね」

そんなことを言いながら嬉しそうに鍋をかきまわしている。
たくさん食べると喜んでくれるのは、ここ数日でわかった。彼女が喜ぶ顔が見られるなら、多少太ったって構わない。

「仕方ないな~」

呟く唇が尖っている。無意識なんだろうなと思うと胸がぎゅうっと締め付けられる感覚がした。

ああ、ああ……俺の奥さんが可愛い。
世界で一番可愛い。

ふにゃふにゃ笑うところも、甘い声も、俺の周りをくるくる動き回るところも。
俺の奥さんがめちゃくちゃ可愛い……。

「はい、ごはんですよ~」

俺の奥さんである雫は、要望通り山盛りのカレーを俺の前にどすんと置くのだった。


結婚……してよかった……!



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