愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
結果として、俺のこの行動は正解だったのかもしれない。
今夜だって、彼女は俺を気にすることなく先に寝てしまった。あそこで早まらなくてよかったのだ。
彼女は俺を人生のルームメイト程度に思っていて、性的な対象としては見ていなかったのだろう。

だから、どうにもならない不甲斐なさを感じる必要はないのだ。
ゆるやかに距離を縮めて、いつかそうした関係になれればいいじゃないか。
焦らなくていいんだぞ、俺!

俺は薄いインスタントコーヒーを一杯だけ淹れ、時間を潰してから寝室に入った。
雫はすでに健やかな寝息をたてていて、その愛しい寝顔を常夜灯の灯りでしばし楽しんでから、俺は自分のベッドに入ったのだった。




翌朝、七時にそろって携帯の目覚ましで起きる。
朝弱いと自分で言っていた雫は、それでも毎朝気合いで起きてくれる。遅番の日などは俺に合わせなくてもいいと伝えてあるけれど、『一緒に朝食を食べたいじゃないですか』と微笑まれたら、頷いてしまう。

とはいえ、エンジンがかからなさそうな彼女は緩慢な動作でコーヒーメーカーを起動させ、トースターにパンを二枚セットするのがやっとといったところだ。
自分の仕度をしつつ、俺は彼女に気を遣わせない範囲で、無糖ヨーグルトを小さなガラスボウルに入れたり、チーズを用意したりする。

テーブルが整えば朝食だ。
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