愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
俺はすでにワイシャツとスラックス、髪もぴっちりと撫でつけた状態で、いつでも出勤できる状態だ。
彼女は今日遅番なので、まだルームウェアのまま。早番の日でも、俺より三十分は出勤が遅い。

「いただきます」

声を合わせて、手も合わせる。
ふたりの食卓は心地いい。ふたりのペースで、できる範囲のことを工夫してやる。居心地のいい新婚夫婦の生活だ。
俺たちは付き合う間もなく結婚をしたけれど、こうした生活は今のところつつがなくストレスなく送れているように思う。

「今度、ハムエッグくらいつけますねぇ」
「それは俺の休日に俺が作りますよ」
「目玉焼きだとお醤油なんですけど、ハムエッグになるとソースって感じしません?」
「俺はどちらも塩コショウで食べてました」
「ほぉ~」

そんな他愛のない会話だけれど、俺たちには貴重な意見のすり合わせだ。そうか、彼女は醤油かソースなのか。覚えたぞ。

「今夜は遅いので、お夕飯は各自でお願いしますね」
「ええ、そうしましょう」

俺たちはにこっと微笑み合って朝食を終えた。

すっぴんの彼女も可愛い。眠たそうな顔も可愛い。
はあ、俺はこんなに可愛い奥さんをもらったんだ。

急ぐことはないさ。彼女はこの先も俺のものなんだから。


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