愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
「この前の秋冬の新作も可愛いかったですし、新しいデザイナーさん腕前最高ですね~」

私は試着室で新作下着を脱ぎながら声を張る。ニケーは国内老舗女性下着メーカー。社内に腕のいいデザイナーはたくさんいるけれど、昨年からいくつかのシリーズをフリーのデザイナーに外注している。

「鳥居さんね、すごくいいわよねぇ。打ち合わせで何度もお会いしてるけど、中性的な男性よ」

外部起用は新鮮さを失わないためにということだけど、確かに鳥居さんのデザイン、よく売れてるんだよなぁ。他の商品と比べてちょっと割高でも手にとる女性は多い。

「男性だからこそなのかなぁ。女性が自分では見えづらい美しいラインを知っているっていうか」

私はブラジャーをたたみ、セットのショーツと合わせると、元の格好に戻り試着室を出た。

「あら、榊いいこと言う。今度、打ち合わせについてらっしゃいよ」
「ええ~私、店舗の人間ですよ~」
「直接お客様の反応を見てるのはあなたたちだもの。本人に伝えてあげて。……ところで新作は?その感じだと買う気なんでしょ?」
「えへへ、買って帰ります~」

私はにやにやと下着を抱き締めた。
服装は身だしなみさえ整っていればいいってタチだから、メーカー勤務のくせに下着まで気をまわしていない。自社製品ってこういう機会でないと買わないんだよね。
そして私が持ってるラインナップからしたら、今回購入の新作は格段に可愛くておしゃれなセットだ。

ふふふ、新婚の妻が可愛い下着を準備するってめちゃくちゃエッチではないですか!
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