愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
「ちょ、ちょっと、なんなんですか!徳島先輩!ものすごいセクハラ!やだもう!訴えて慰謝料とってやる!」
「やあだ、マーケットリサーチよ。仕事熱心なだけなのに」

精一杯反撃する私をからかって、徳島先輩は青空の明治通りへ出て行った。
私はその背中を見送り、二十分後の開店に向けてスタッフと準備に戻る。

はあ、焦った。やめてほしい、ああいうからかい方は。
セクシャルなネタはかわし方がわからないったらないよ。

さて、今日はいい天気。気温も少し高いみたい。
この店舗の責任者は私で、あとは契約社員とアルバイトで回している。原宿の路面店はニケーのフラッグシップショップだ。若いお嬢さんからご年配のご婦人までご愛顧いただく、女性の味方のランジェリーショップ。

私は肩をまわし、今日も忙しくなるぞ、と気合いを入れる。

一生懸命仕事して、帰ったら旦那さんにゴハン作って、そしてその後は……。
今日買ったこの新作下着で……旦那さんをドキドキさせちゃったりなんかして……。

そこで私は、はたと動きを止めた。

ええと、あれ?
下着でドキドキさせるってことは、下着姿にならなきゃいけないわけでしょ。
それってもうベッドの上だよね。
今まさに開戦って状況だよね。

つまりは、そこまでに至ってない私と高晴さんの場合はどうしたら……いいんでしょうか。

早速無用になってしまいそうな下着を思い、私は愕然とした。


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