愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
「お夕飯、たこ焼きってこと?」
「ごめん、きみに相談もせず」
「たこ焼き大好き!高晴さん、ありがとう!」

私はすかさず答えた。だって、夕飯作る手間がはぶけたじゃない。
それにたこ焼き好きってのは本当だし、美味しいと思うものを私に食べさせたくて買ってきたって、思いやりを感じるよね。結構嬉しいな。

私の反応に高晴さんがほっと胸を撫で下ろすのがわかった。かなり少ない表情の変化だけど。

「でも、野菜スープくらい作るね。栄養のバランス的に」
「ありがとう、雫さん。気を遣わせてしまったね」
「こんなの気を遣うに入りませーん」

冷蔵庫にはサラダ用の野菜がいくつかあったので、それをそのままスープにしてしまう。あっという間にできるやつにしないと、たこ焼きが冷めちゃうもんね。

たくさんのたこ焼き。レタスとブロッコリーとコーンのスープで私たちは夕食にした。

買ったばかりの新作下着はまだ私の鞄に入っていて、それが今夜役に立たないだろうことはなんとなくわかっていた。
別にいいんだけど。急いでないし、まだ結婚して1ヶ月なんだし……。
私を女性として見てないとか、ゲイだとか色々妄想はしてるけど、ひとまず全部置いておこう。

いいじゃない。
私と高晴さんは円満な夫婦なんだから。


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