愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
「ごめんね、まだお夕飯何も作ってないの。これから買い物に行こうとしてて」
「いや、急に帰ってきたのは俺だし。……よければ、一緒に買い物に行こうか?」
「え!?」
私が声をあげたもので、高晴さんがびくっと肩を揺らして遠慮がちに付け足す。
「雫さんが買い物で、俺は家で風呂掃除と米とぎ……の方がいいかな?」
「え!ううん!そうじゃなくて!……買い物、一緒に行くのって初めてだなぁって思ったの」
高晴さんと結婚して、なかなかお互いの休みが合わないままここまできてしまった。買い物をふたりでってだけで新鮮だ。
そして、そんな申し出をしてくれた高晴さんの気持ちが嬉しい。
さっきまでの焦った気持ちがふわふわ消えて、単純な私はしっぽでも振りそうな勢いで高晴さんに歩み寄った。
「よければ、一緒に行ってください。重たいもの、買っちゃっていい?」
「重たいものって?」
「油の大きなボトルとかお米とか」
「あ、ああ……頑張るよ」
高晴さんは少し困惑げに口の端を引いたものの、私の要請を頼もしく請け負ってくれた。
でも、高晴さん、今日は異常に早かったなぁ。この前も早かったし。
もしかして、なにか疑われてるのかな。実はもう段ボールの中身、確認されてたりして。
いやいや、それは早く帰る理由にならないでしょ。しかし、我ら隠れオタクにとって、オタバレの恐怖というのはいつも全身から脂汗が出るくらい怖いものでして……。
「雫さん?」
「あ、なんでもないの!……エコバック、ふたつ用意しなきゃね!」
私はごまかすように笑って、キッチンの棚に向かうのだった。
「いや、急に帰ってきたのは俺だし。……よければ、一緒に買い物に行こうか?」
「え!?」
私が声をあげたもので、高晴さんがびくっと肩を揺らして遠慮がちに付け足す。
「雫さんが買い物で、俺は家で風呂掃除と米とぎ……の方がいいかな?」
「え!ううん!そうじゃなくて!……買い物、一緒に行くのって初めてだなぁって思ったの」
高晴さんと結婚して、なかなかお互いの休みが合わないままここまできてしまった。買い物をふたりでってだけで新鮮だ。
そして、そんな申し出をしてくれた高晴さんの気持ちが嬉しい。
さっきまでの焦った気持ちがふわふわ消えて、単純な私はしっぽでも振りそうな勢いで高晴さんに歩み寄った。
「よければ、一緒に行ってください。重たいもの、買っちゃっていい?」
「重たいものって?」
「油の大きなボトルとかお米とか」
「あ、ああ……頑張るよ」
高晴さんは少し困惑げに口の端を引いたものの、私の要請を頼もしく請け負ってくれた。
でも、高晴さん、今日は異常に早かったなぁ。この前も早かったし。
もしかして、なにか疑われてるのかな。実はもう段ボールの中身、確認されてたりして。
いやいや、それは早く帰る理由にならないでしょ。しかし、我ら隠れオタクにとって、オタバレの恐怖というのはいつも全身から脂汗が出るくらい怖いものでして……。
「雫さん?」
「あ、なんでもないの!……エコバック、ふたつ用意しなきゃね!」
私はごまかすように笑って、キッチンの棚に向かうのだった。