愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
時間も早かったし、少し足を伸ばして大きなスーパーへ向かった。
ショッピングモールの一階に入ってる大型店だ。一度ひとりで来たことがあるけれど、そこそこのお値段がするお店。輸入品なんかも並んでいるし、たぶん少し良いものを求めてくる方が多いのかな。
ここで、お味噌やお米を買うのは勇気がいるぞと思いきや、その辺は結構普通の価格帯のものもあって一安心。
野菜コーナーは綺麗だけどちょっとお高かった。今年、野菜が高いんだよね。

「夕食は何を作るの?」

高晴さんが私の横で所在なさげに言う。一人暮らしが長くてもスーパーには来慣れていないのかな。
私はその手にカゴを持たせてあげた。あなたを荷物持ちに任命するぞーって。

「ロールキャベツにしようかな。今年はキャベツが高いから、ちょっと贅沢品になっちゃうけどどうしても食べたくて母にレシピ聞いちゃった」

私は携帯に届いた母からのレシピを見せる。

「雫さん、お米炊いてたよな」
「ん?炊きましたよ」

答えてから、ハッとする。

「もしかして、高晴さんのおうちはロールキャベツといったらパン?」
「あ、ああ、うちはそうだったかな。ご飯っていうのは、珍しいかもしれない」

こんなところで育ってきた環境の差を感じるなんて。
榊家はロールキャベツは洋食の扱いでパンが出るのね。じゃあ、きっとビーフシチューなんかにもパンが付く家庭だ。
我が家はなんでも定食扱いなので白米が出る。
あと、シチューの類はだいたい全部ご飯にかかって出てくる。
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