愛され新婚ライフ～クールな彼は極あま旦那様～

「高晴さん……私、寝ちゃってた……」

のろのろと身体を起こすと、部屋はかなり暗く、もう夜の時間帯なのだとわかった。

「それならいい。てっきり体調が悪いのかと……」

心配そうに顔を覗き込んでくる私の旦那様は、部屋の電気をつける暇も惜しんで私に駆け寄ってくれたみたい。

「ごめんなさい、元気だよ」

優しい。優しいな、高晴さん。
私のことを家族とは思ってくれてるんだね。これでいいのかな。これで我慢すべきなのかな。

「夕飯、無理せず外へ食べに行こうか？」
「平気、平気。材料あるし、作るね」

心配させないように、元気に言った。立ち上がろうとして、手がパソコンに触れる。すると、スリープモードになっていた画面がぱっと点いた。

液晶一杯に映されていたのは、豊胸美容整形のページ……。
『理想のサイズに変身』という文字、いかにもなお姉さんが水着姿で胸を寄せている。

その画面を見つめ、ひゅっと息を飲んだ私。
そして、その横で呆気にとられた様子の高晴さん。

私たちはしばし無言で暗闇の中、発光する画面を眺めていた。
私が我に返り、即座にブラウザを閉じるまで。

嫁が豊胸を考えていた事案。

は、恥ずかしすぎる。死にたい……。