愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
雫は下着を見せたい相手に言われたのかもしれない。もう少し胸は大きい方がいいと。
俺は雫のささやかな胸でいい。実物を見たことはないが、服の上からである程度どのくらいのサイズなのかは想像できる。
俺なら、そんなことは言わないのに。しかし、雫は俺じゃない誰かのために豊胸の美容整形まで考えているのだ。
もうどうしたらいいのかわからない。
俺は雫と別れた方がいいのだろうか。
しかし、結婚に了承したのは雫だ。彼女の相手は叶わぬ恋の相手なのかもしれない。既婚の男性上司や、親の許しが得られなさそうな売れないミュージシャンという可能性もある。
俺という安定を手に入れ、両親と老後の心配を解消し、愛する男と恋路は続けるつもりだろうか。そして、俺の提示した結婚の要件を照らし合わせても、俺は雫のことを責められない。
俺たちの結婚は恋愛によるものではない。信頼関係を繋ぐ結婚であり、彼女の心まで縛れる契約ではない。
でも、それなら隠さず言ってほしい。できれば、自分から言ってほしい。容認できるかと言えば別問題だが、こうしてこそこそとされるのはつらいものがある。
深いため息をつくと、視界をさっと人影が横切った。その人物が先に俺の存在に気づいた。
「榊、サボリ?珍しいわね」
通りかかったのは同期の日向麻紀だった。
「……サボってない。コーヒーを飲んでいただけだ」
「ふうん、なんか暗い。ランチ、外に行こうかと思ってたんだけど。たまには一緒に行く?」
俺の部署は明確な昼休みはあるものの、時間をずらして取ることも許されている。各自のペースで休憩をとるため、あまり同僚と一緒に食べに行くことがない。
日向は俺の結婚にひと役かってくれた存在だ。
そして、一応だが性別は、女。雫の気持ちを女目線で代弁してくれるかもしれない。
この際、相談してしまおうか。
「そうだな。……一緒に行こう」
「なんか、相談あるなら聞くわよ~」
察しがいいのか、偶然なのか、日向はにかっと笑って言った。
俺は雫のささやかな胸でいい。実物を見たことはないが、服の上からである程度どのくらいのサイズなのかは想像できる。
俺なら、そんなことは言わないのに。しかし、雫は俺じゃない誰かのために豊胸の美容整形まで考えているのだ。
もうどうしたらいいのかわからない。
俺は雫と別れた方がいいのだろうか。
しかし、結婚に了承したのは雫だ。彼女の相手は叶わぬ恋の相手なのかもしれない。既婚の男性上司や、親の許しが得られなさそうな売れないミュージシャンという可能性もある。
俺という安定を手に入れ、両親と老後の心配を解消し、愛する男と恋路は続けるつもりだろうか。そして、俺の提示した結婚の要件を照らし合わせても、俺は雫のことを責められない。
俺たちの結婚は恋愛によるものではない。信頼関係を繋ぐ結婚であり、彼女の心まで縛れる契約ではない。
でも、それなら隠さず言ってほしい。できれば、自分から言ってほしい。容認できるかと言えば別問題だが、こうしてこそこそとされるのはつらいものがある。
深いため息をつくと、視界をさっと人影が横切った。その人物が先に俺の存在に気づいた。
「榊、サボリ?珍しいわね」
通りかかったのは同期の日向麻紀だった。
「……サボってない。コーヒーを飲んでいただけだ」
「ふうん、なんか暗い。ランチ、外に行こうかと思ってたんだけど。たまには一緒に行く?」
俺の部署は明確な昼休みはあるものの、時間をずらして取ることも許されている。各自のペースで休憩をとるため、あまり同僚と一緒に食べに行くことがない。
日向は俺の結婚にひと役かってくれた存在だ。
そして、一応だが性別は、女。雫の気持ちを女目線で代弁してくれるかもしれない。
この際、相談してしまおうか。
「そうだな。……一緒に行こう」
「なんか、相談あるなら聞くわよ~」
察しがいいのか、偶然なのか、日向はにかっと笑って言った。