愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
家に帰り着いたのは日付も変わった深夜1時だった。
俺は結構酔っていて、足元はふらふら、すでに軽く頭が痛い。明日が休みで本当に良かった。

雫はもう眠っているだろうか。
今日は気をつけなければならない。酔った勢いというのは本当にあって、今俺はものすごく雫に会いたいし触りたい。抱きしめたいし、キスしたい。それ以上のことも本能に任せてやらかしかねない。

眠っていてくれたらいい。そう願いながら鍵を開ける。廊下の向こう、リビングに灯が点いている。
俺が帰ってくるから点けておいたのだろうか。
いや、違う。テレビの液晶の発光が、かすかに部屋のフローリングに反射している。雫は起きているのだ。

「ただいま」

リビングに入り声をかけると雫はソファで深夜番組のバラエティを見ていた。ちらりとこっちを見る。その顔が少し不機嫌そうに見えた。

「遅くなってごめん。飲んできた」
「ふぅん」

携帯にメッセージは送ってあるし、結婚してからは初めてとはいえ、飲んで帰るのは割とあることだと思う。
しかし、どうして雫は素っ気ない態度をとるのだろう。

「雫さん?」

様子を伺おうとソファに歩み寄ると、雫はテレビを消し立ち上がってしまう。
すたすたとキッチンに向かう雫。わけもわからず、俺も後をくっついていく。だって、雫の様子がおかしいのだ。
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