愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
夕食代わりに買ってきたサンドイッチをかじり、風呂を済ませると、ガイドブックを眺めて過ごす。
どこを回ろう。いやその前に、雫は旅行に応じてくれるだろうか。もし断られたらどうしよう。
その時は、俺ひとりで行こうかな。二日も休みが被ったら、彼女も息苦しいだろう。
そうしたら、ちょっとした傷心旅行だな。
俺はいよいよ、彼女との今後を考え直す機会になるだろう。ああ、それは避けたい。
日付が変わってすぐに雫が帰宅した。
俺が起きていると気づいただろう彼女は、リビングに入り小さな声でただいまと呟いた。それから目をそらし、寝室に行こうとしてしまう。
「雫さん」
俺は呼び止めた。声が震えそうになる。
勇気を出せ。お見合いで彼女にプレゼンしたときのことを思いだせ!
寝室のドア前で、雫はそろりと振り返った。
その表情がわかりやすすぎるほど言っている。『気まずい』って。
「次の木金、休みだろう?何か予定はある?」
「……えっと、ないです」
ぼそりと返ってきた答え。俺はたたみかけるように言った。
「旅行に行かないか?箱根なんだけど」
彼女がかすかに目を見開いた。だけどその目は、こいつ何を言ってるんだろうといった不審げな様子。
ここで折れるな。俺はくじけそうになる心を叱咤して続けた。
どこを回ろう。いやその前に、雫は旅行に応じてくれるだろうか。もし断られたらどうしよう。
その時は、俺ひとりで行こうかな。二日も休みが被ったら、彼女も息苦しいだろう。
そうしたら、ちょっとした傷心旅行だな。
俺はいよいよ、彼女との今後を考え直す機会になるだろう。ああ、それは避けたい。
日付が変わってすぐに雫が帰宅した。
俺が起きていると気づいただろう彼女は、リビングに入り小さな声でただいまと呟いた。それから目をそらし、寝室に行こうとしてしまう。
「雫さん」
俺は呼び止めた。声が震えそうになる。
勇気を出せ。お見合いで彼女にプレゼンしたときのことを思いだせ!
寝室のドア前で、雫はそろりと振り返った。
その表情がわかりやすすぎるほど言っている。『気まずい』って。
「次の木金、休みだろう?何か予定はある?」
「……えっと、ないです」
ぼそりと返ってきた答え。俺はたたみかけるように言った。
「旅行に行かないか?箱根なんだけど」
彼女がかすかに目を見開いた。だけどその目は、こいつ何を言ってるんだろうといった不審げな様子。
ここで折れるな。俺はくじけそうになる心を叱咤して続けた。