よくばりな恋 〜宝物〜


空斗に幸せになって欲しいけど、その隣にいるのは自分でありたい。

お湯を掬い、ホロリと零れる涙を洗い流す。



どんどん、よくばりで、嫌な女になる。



愛想を尽かされても当然だーーーーーー。



お風呂からあがると、うどんを食べ終えた空斗がベッドに腰をおろして手招きをする。反対の手にドライヤーを持って。


紅が空斗の足の間にちょこんと座るとドライヤーのスイッチが入れられた。発売と同時に話題となったこの大風量のドライヤーは空斗がプレゼントしてくれたものだ。

値段を見て紅は躊躇したのに空斗は簡単に買ってくれた。

空斗がこの部屋に泊まるようになってからお風呂上がりには必ず紅の髪を乾かしてくれる。


気持ち良さにうつらうつらしてしまう。


「紅〜、あとちょっとやから頑張れ」


乾かし終わると空斗が抱き上げてベッドに入れてくれ、空斗のキスが身体中におちてくる。




いつもいつも、甘やかされてる。




キスも、その先も、全部空斗に教わった。
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