名探偵、猫ニャー。
3、
何日か後で、
若い刑事はその男の自宅へ
向かった。
極々、僅かでは有るが
捜査に協力してくれた
報奨金を手渡して
お礼を直接、
言いたかったからで有る。
男は単車で
出掛ける寸前だった。
「こんにちは、
先日はどうも。笑」
「ああ、
あん時の刑事さんか。」
ヘルメットを取りながら
男が答える。
「お陰様で一件落着です。
御協力を、ありがとう
ございました。」
「そーか、…良かった。」
報奨金を手渡しながら、
若い刑事が、
「あの事故で、前に見た
漫画を思い出しましたよ。」
「へー?どんな?」
「あんまり
関係無いんですがね
男性二人の探検隊が
ジャングルに行くんですよ
でね、隊長がね、
局部を毒蛇に噛まれる、
立ちションの時に。」
「そりゃ大変だ、笑」
「でね、隊長が、
もう一人の男に、頼むから
毒を吸出してくれと。」
「…無理。」
「ええ、笑。そこで場面が
切り替わって、
隊員が隊長の葬儀の
遺影の前で
深々と頭を下げている、
とゆー、、、笑」
「笑、 成程。
でも、俺が書くなら、
もう、一つ捻るなー。」
「え?どんな風に??」
「隊員は、隊長の局部に
吸い付いて毒を吐き出す。
それが切っ掛けとなり、
…場面変わって、二人は
渋谷区で同性婚挙式。」
「成程ー!!!BL好きの
女性に受けそうな?!
さすがっ!!!笑」
「名探偵、猫ニャーと
呼びたまえ。」
そう言いながら、
男は単車に跨がる。
…しかしkeyを
忘れたのだろうか、
再び玄関に引っ込む。
ドカン!!!
おうふっ!!!!いっでぇーー!
(…上がり框に躓いたな?
迷探偵だわ。笑)
若い刑事はくすりと笑う。
…その男の名は猫ニャー。
それ以上でも
それ以外でも無い。