君の姿、午後5時半【短編】
さあ、恋心を始めてみようか。
私は今まで宮野くんにされる告白などの行為は、対応には困るとは思っていたけれどその行為が迷惑だと思った事はない。


でも店側からしたらお客様が居る場合において、迷惑行為だったのかもしれないけれど私自身は彼の存在が迷惑だと感じた事は本当に一度もないのだ。



「あのなあ……宮野。迷惑だと思うだろうよ、普通は。お前ある種のストーカーじゃね?」

「ええ!俺ストーカー!?」



宮野くんに差し出されている紙切れを暫し見つめる。


私には今のところ彼氏も、好きな人も居ない。


さっきもそれを考えて虚しくなったばかりだけれどこれは紛れもない事実、で。


"友達"から始めるなら、と考えが決まった瞬間、言葉で返事をするより早く私の手が宮野くんの掌に握られている紙切れを抜き取っていた。


まさか、というような表情を浮かべ驚いている宮野くんとその友達の男の子。


奧では先程よりも更に冷やかしてくる発言が聞こえてくるのだが、今はスルーだ。
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