舞蝶~絶望を知った女総長~ ※コメディあるZE☆
翔真が来た時、
壊れた理事長室の扉と散乱した部屋の中で徹の胸ぐらを掴んでいた私は翔馬の方を向いてにっこり笑った。
愛「随分遅かったなぁ?」
翔「ひっ。いや、あの、えーっと…」
なかなか答えない翔真にだんだんイライラしてくる。
愛「何でかなぁ??((超ド級ウルトラスーパーthe黒黒笑」
翔「授業をしてました…」
愛「それは違うなぁ?私が聞いてるのは門を壊してから今まで来るのが何故遅かったのか、だぞ?」
翔「い、いや、あの、愛乃さん怒ってらっしゃったのでち、近づかない方が良いではないかと判断しまして、あの……」
ふーん…。
愛「己が助かる為なら徹でも囮にするってか。」
そう言うと翔真は慌て始める。
翔「い、いえ!!決してそういう訳では…!」
徹「翔真……そんな奴だったのか…。見損なったぞ…。」
翔「違うってんだろがぁ!!」
二人のやり取りをみて私はフッと笑う。
愛「嘘に決まってんじゃん。馬鹿だな」
まあ私より頭が悪いのだからあながち間違ってはいない。
翔「そっそうですか……よk…」
良かった、を言いかけて翔真は固まる。
翔「ああああああぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!!!!」
う る さ い
徹「なんだなんだどうしたどうした!」
つられて徹もパニくる。
騒がしい。
愛「どうしたんだよ(怒)」
翔「授業すっぽかしてきたの忘れてたぁ!!!!!!」
愛「なんだ今更」
翔「愛乃さん分かってたんですか?!」
愛「当たり前だろ。時間感覚無くて世界№1総長務まるか」
徹「その割には朝寝坊よくするし時間にルーズだよねー」
愛「黙れ徹、ぶちのめすぞ」
徹「すいませんっ!!!!」
その後翔真は私の手を引き、教室へと急いだ。
愛「ばいばーい、とーる〜」
気の抜けたお別れをすると何故か翔真に怒られた。
翔「呑気でいる場合ですかぁ!」
はいぃ?!
愛「てめぇの事情なんか知らねぇんだよ!! 元はと言えばてめぇがさっさと来てれば良かったものを!!」
翔「うぐっ!」
翔真はどうやら図星のようでダメージを受けていた。
翔「と、ところで学校での名前はどうするんですか?」
愛「城ヶ崎 悠」
翔「そうですか……りょーかいです」
"城ヶ崎"は私の旧姓。
翔真はあの事件の事を知っているから複雑なんだろうな。
走っているといつの間にか目的地に到着していた。
これまた豪華な教室だな。
詳しく説明するのは面倒だから適当に想像でもしておいてくれ。
翔「ぜぇ、ぜぇー。ここが…はぁ、愛乃さん、いや悠さんの…ぜぇ、教室です…はぁはぁ」
愛「なんでそんな死にそうな呼吸になってんだ?」
私は息切れどころか疲れすらないというのに。
翔「ま、まぁいいから…っはぁ、呼んだら入ってきて下さい…」
愛「りょー」
ガラッ
翔真が教室のドアを開ける。
教室内はざわざわしている。
「さっきの理事長って…」
「あんな怖がってる理事長見たことねぇ…」
「何者なんだ、理事長室にいた奴…」
……どうやら私の話題のようだ。