嘘ごと、愛して。
やはり正義は慣れているようで、3回目で犬のぬいぐるみをゲットして、それを私に押し付けた。
「いいの?」
「やる。後700円かー」
毛並みの良い犬のぬいぐるみを抱えながら、正義とクレーンゲームを覗く。
ああ、すごく楽しい。
正義の傍にいると、世界が違って見える。
「あ、コレ」
「可愛い」
正義の視線の先にはクマのペアストラップがあった。
「知ってる?コレ持ってるカップルは、別れないらしいよ」
「正義もそういうの信じるの?」
「俺は信じないけど、女はこういうの好きじゃないの?」
「…私はそんなに可愛い女の子じゃないです」
真凛は毎朝テレビから流れる占いをチェックして一喜一憂していたけど。
「じゃぁ、これから信じてみたら」
お金を投入した正義は笑った。
「とれたら、俺も信じるよ」