嘘ごと、愛して。
投稿初日、下駄箱で慌てふためく私に声をかけてくれた。出逢いから、貴方は優しかった。
この出逢いに、救われた。
偶然同じクラスで席も近くなって。
話すようになった。
クラスで孤独を感じなかった分、
別れる時が無性に寂しいなんて、
考えもしなかったんだ。
寂しいよ、正義ーー
「なんで、俺になにも言ってくれないの」
え?
頭上から降りかかった声に、驚く。
けれど顔を見られたくなくて、下を向いたまま答える。
戻って来てくれたんだ。
「……言えないこともあるよ」
「新学期になってからアンタは変わったよな。なにかに悩んでることも、気付いてた」
そっと正義に抱きしめられる。
人通りの少ない小さな道の真ん中で、抱き締められている。
温かい。
ーーこの温もりに慣れてはいけない。
「…正義には関係のないことだよ」
「尚更、話して」
「……言いたくない」
正義を巻き込みたくない。
ううん、こんなにも優しい人を巻き込んではならない。