嘘ごと、愛して。

放課後まで正義は一切、私に話し掛けてこなかった。
いつもは些細な話題で、笑ったり怒ったりしていたのに。

そう当たり前に感じていた時間がなくなり、
ああ、やっぱり正義に救われていたんだ。
本当に心から自覚した。


正義が傍にいてくれるから、
私は、毎日、学校に来れていたんだ。

今は学校に来ることが怖くて仕方ない。


親友の百瀬楓さんに謝った。
晴人さんが一緒に謝ってくれたので彼女は分かったと頷いてくれたが、元のような関係には戻れないと告げられた。


一度裏切られた友達を親友と呼ぶには難しいと。

もしも同時に違う人を想ってしまっていたのなら、素直に打ち明けて欲しかったと百瀬さんは言った。

そしたら全力で止めてあげたのに、と。


真凛は、
安藤裕貴と、峰岸晴人の2人を傷付けたんだよ。
そう、百瀬さんは本気で怒ってくれた。

真凛、優しくて良い親友をもったんだね。

< 120 / 185 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop