嘘ごと、愛して。

「じゃーな、また明日」

「また明日ね、正義」

大きく手を振ってくれる正義に応えるように、笑う。

また涙が出そうになったけど、無理矢理引っ込めて、笑う。


「ありがとね、正義」


「泣いてる女、放っておくような男に見えるか?」


ううん、今日だけじゃなくて。
登校初日のあの日から、ありがとう。


「アンタは良い男だよ」

「知ってるつーの」


正義のポケットにあるクマのストラップ。
そのジンクスは嘘になってしまうけど、
大丈夫。
アンタには私よりも相応しい誰かが、絶対に現れる。


「じゃぁね、バイバイ」

「おー、バイバイ」


本当に本当に最後の別れは、
お互いに笑顔だった。

最高のラストだよね。

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