嘘ごと、愛して。

晴人さんとたくさん話し合った。

私が感情的になっても晴人さんは冷静に話を聞いてくれた。

両親に話して警察に行こうという私の提案に、晴人さんは考え込んだ。

警察に行くことで解決はしないだろうと。
順調な彼の人生を壊すようなことをして激情し、真凛にもっと大きな危害が加えられることを晴人さんは恐れていた。

警察も、私も、家族も、晴人さんでさえ、
これから何十年も片時も傍を離れずに一緒にいることはできない。
現実問題、誰かがずっと傍にいて真凛を守ることなんてできないんだ。

だからこそ上手に裕貴を説得しなければならない。

全てを失った人間こそ、怖いものはなくなり
何をするか予想がつかない。



私たちは慎重に、行動しなければならないんだ。

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